AIのAPI料金とCursorのような月額サービスを行き来していると、単価の基準が分からなくなります。
僕自身が比較し直せるように、2026年7月17日時点の価格と性能指標を一つにまとめました。
ここでは「最強モデル」を一つ決めません。
APIは入力と出力の量、コーディングツールは含まれる利用枠が違うため、同じ物差しでは比べられないからです。
API価格はすべてUSD、100万トークン(MTok)あたりです。料金やキャンペーンは変わるため、契約前に公式ページも確認してください。
性能と価格は別の指標で見る
価格だけでは、安いモデルが必要な品質に届くか分かりません。
そこでArtificial AnalysisのIntelligence Index v4.1を、この記事で扱うモデルに絞って並べました。
取得日は2026年7月17日です。
AA側の計測は各モデルページのデフォルト設定に従います。
Claude Fable 5はOpus 4.8へのフォールバックを含むシステム評価です。

このスナップショットでは、Claude Fable 5、GPT-5.6 Sol、Claude Opus 4.8、GPT-5.6 Terra、Claude Sonnet 5が上位にいます。
ただし、この順位だけで用途ごとの精度を保証するものではありません。
次は、同じIndexとAPI単価を並べた散布図です。
価格は入力と出力を3:1で使うと仮定し、僕がこの記事用にブレンドしました。

左上ほど、総合スコアに対して単価が低い読み方です。
DeepSeek V4 FlashやGPT OSS 120Bは低価格側、上位のClaudeやGPTは高価格側に位置します。
3:1という比率は実際の処理内容で変わるので、自分のUsageに置き換えて見る必要があります。
速度はAAの出力速度中央値で比較しました。
Groqが公表するホスト側の速度とは計測条件が違うため、この図には混ぜていません。

出典: Artificial Analysis Models / Intelligence Index methodology(v4.1、2026年7月17日取得)
API価格を一つの表で比較する
各社の代表的なモデルを、入力と出力の価格でまとめました。
同じ名前でもコンテキスト長、キャッシュ、優先処理などの条件で単価が変わることがあります。
| 提供元 | モデル | 入力 | 出力 | 料金を見るときの補足 |
|---|---|---|---|---|
| Anthropic | Claude Fable 5 | $10.00 | $50.00 | 高性能帯 |
| Anthropic | Claude Opus 4.8 | $5.00 | $25.00 | Fast Modeは別単価 |
| Anthropic | Claude Sonnet 5 | $2.00 | $10.00 | 8月31日までの期間限定価格 |
| Anthropic | Claude Sonnet 4.6 | $3.00 | $15.00 | バランス型 |
| Anthropic | Claude Haiku 4.5 | $1.00 | $5.00 | 軽量モデル |
| OpenAI | GPT-5.6 Sol | $5.00 | $30.00 | 高性能帯 |
| OpenAI | GPT-5.6 Terra | $2.50 | $15.00 | 中間モデル |
| OpenAI | GPT-5.6 Luna | $1.00 | $6.00 | 軽量モデル |
| Gemini 3.5 Flash | $1.50 | $9.00 | 200k以下 | |
| Gemini 3.1 Pro Preview | $2.00 | $12.00 | 200k超は別単価 | |
| Gemini 3.1 Flash-Lite | $0.25 | $1.50 | 低価格帯 | |
| Gemini 2.5 Pro | $1.25 | $10.00 | 200k以下 | |
| xAI | Grok 4.5 | $2.00 | $6.00 | 200k未満 |
| xAI | Grok 4.20 / 4.3 | $1.25 | $2.50 | 200k未満 |
| DeepSeek | DeepSeek V4 Flash | $0.14 | $0.28 | キャッシュヒットは別単価 |
| Mistral AI | Mistral Large 3 | $2.00 | $6.00 | EU企業の選択肢 |
| Groq | GPT OSS 120B | $0.15 | $0.60 | オープンモデルのホスティング |
| Groq | Llama 3.1 8B Instant | $0.05 | $0.08 | 公式公表840 TPS |
| Cloudflare | GPT OSS 120B | $0.350 | $0.750 | Neurons換算 |
| Cloudflare | Llama 3.1 8B(fp8-fast) | $0.045 | $0.384 | Neurons換算 |
| Together AI | Llama 3.3 70B | $1.04 | $1.04 | オープンモデル |
| Fireworks AI | Llama 3.3 70B | $0.90 | $0.90 | オープンモデル |
Anthropic、OpenAI、Googleは割引条件も確認する
3社とも、急がない非同期処理にはBatch APIの割引があります。
この記事の取得時点では通常料金の50%オフです。
同じ長いプロンプトを繰り返す場合は、プロンプトキャッシュも効きます。
Anthropicではキャッシュ読み込みが通常入力料金の10%ですが、書き込み料金や保持期間も含めて計算する必要があります。
OpenAIはPriorityやFlex、Googleはコンテキスト長と検索グラウンディングで条件が変わります。
表の単価だけで月額を見積もらず、実際に使うモードを決めてから計算した方がずれません。
GroqとCloudflareは単純な横並びにしにくい
GroqはLPUによる出力速度を強みにしており、公式ページではGPT OSS 20Bが1,000 TPSと案内されています。
これはArtificial Analysisの速度グラフと計測条件が違うため、数値を直接比べてはいません。
Cloudflare Workers AIはNeuronsという単位で課金されます。
表は比較しやすいようにトークン単価へ換算された値を載せました。
無料枠は1日10,000 Neuronsです。
Vercel AI Gatewayはモデルではなく中継サービス
Vercel AI Gatewayは、自社モデルを提供するサービスではありません。
OpenAI、Anthropic、Googleなどを一つのAPIから呼び分けるためのゲートウェイです。
モデル料金へのマークアップは0%ですが、Custom ReportingやZDRなど一部機能には別料金があります。
プロバイダーを切り替えたい開発では便利ですが、モデル自体の品質や単価が安くなるわけではありません。
月額コーディングツールは利用枠で比べる
Cursor、Claude Code、GitHub Copilot、Windsurfは、APIを直接呼ぶ従量課金とは仕組みが違います。
2026年7月17日時点の個人向けプランは次のとおりです。
| サービス | 無料プラン | 主な有料プラン | 利用枠の考え方 |
|---|---|---|---|
| Cursor | Hobby | Pro $20、Pro+ $60、Ultra $200 | APIモデル利用額とAutoなどの別枠 |
| Claude Code | Claude FreeではCode枠の案内なし | Pro $20、Max 5x $100、Max 20x $200 | Claude.aiなどと5時間・週次枠を共有 |
| GitHub Copilot | Free | Pro $10、Pro+ $39、Max $100 | AI Credits。補完は有料プランで無制限 |
| Windsurf | Free | Pro $20、Max $200 | 日次・週次クォータ |
Cursor
Cursorの料金ページでは、ProにAPIモデル利用$20分、Pro+に$70分、Ultraに$400分が含まれます。
有料個人プランのTab補完は無制限です。
枠を使い切った後は、従量課金を有効にできます。
Claude Code
Claude Codeは、Claudeの個人向け有料プランに含まれます。
Proは月$20または年$200、Maxは5倍枠で$100、20倍枠で$200です。
Claude.ai、デスクトップ、モバイル、Claude Codeで枠を共有します。
ANTHROPIC_API_KEYを設定した環境では、サブスクリプションではなくAPI課金になる場合があります。
GitHub Copilot
GitHub Copilotの有料入口は月$10です。
2026年6月以降の新規個人プランはAI Credits方式で、Proは1,500、Pro+は7,000、Maxは20,000 Credits/月です。
Chat、Agent、CLI、Code ReviewなどがCreditsを消費します。
有料プランのコード補完とNext EditはCreditsを消費しません。
Windsurf
Windsurfは、2026年3月にPrompt Creditsから日次・週次クォータへ移行しました。
Proは月$20、Maxは月$200です。
正確なクォータ量は公開されておらず、モデルと処理の重さで実行回数が変わります。
月額だけならCopilot Proが低い一方、各サービスで含まれる機能と枠の数え方が違います。
僕は「月に何回使えるか」を横並びにするより、普段使うモデルで枠がどれだけ減ったかを1週間ほど見る方が判断しやすいと感じています。
僕なら実測Usageから候補を絞る
APIでは、入力と出力の比率が費用を大きく変えます。
たとえばコードレビューや長文要約は入力が長く、文章生成は出力が長くなりがちです。
僕なら、まず小さなテストを同じ条件で数十回実行します。
そこで次の3点を記録します。
- 入力トークンと出力トークン
- 許容できる品質に達した回数
- 応答時間
低価格モデルで品質が足りるなら、そのまま大量処理へ広げられます。
足りなければ上位モデルへ移します。
ベンチマークの順位だけで高価なモデルを固定するより、実際のプロンプトで失敗率を見る方が、用途に合った金額を出しやすいです。
長文を繰り返し渡す処理ではキャッシュ、急がない処理ではBatch APIも試します。
コーディングツールの場合は、月額と超過課金に加えて、補完、Agent、レビューのどこで枠を使ったかを確認します。
2026年7月時点で分かったこと
高性能帯にはClaudeやGPT、低価格帯にはDeepSeekやGroq、無料枠を含む選択肢にはGeminiやCloudflare Workers AIがあります。
ただし、データの扱い、提供地域、モデルの得意分野まで含めると、単価だけでは決められません。
この記事の表は候補を減らすための入口です。
最後は各社の公式料金と、自分のUsageで確認してください。